B・C型肝炎ウイルス 半数以上が検査経験なし


産経ニュース

 ウイルスによって引き起こされるB型、C型肝炎は感染者・患者が推定370万人に上り、国内最大の感染症とも言われる。しかし、成人の半数以上は感染の有無を調べる検査を受けたことがなく、検査が原則無料であることもほとんど知られていないことが製薬企業「ヤンセンファーマ」(東京都千代田区)の調査で分かった。
 調査は昨年11月、全国の20歳以上の男女計約1万5000人を対象にインターネットを通じて行った。
 肝炎ウイルス検査は採血だけの簡便な検査だ。しかし、過去に受けたことがあるかどうかという問いに53%の人が「ない」と回答。
 しかも、残る47%のほぼ半数(全体の23%)は、手術や出産など事前にウイルス検査が行われる医療処置に伴って受けたと推定される人たちで、自発的に受けた人は24%にすぎなかった。
 検査を受けたことがない人たちに理由(複数回答)を尋ねると、「特に理由はない」が49%で最多。次いで、「自分は感染していないと思う」(22%)、「定期健診や人間ドックの検査項目に入っていない」(18%)などが上位を占めた。
 現在、保健所や委託医療機関での検査は国の補助により基本的に無料で受けられるが、このことを知っていた人はわずか13%。
 さらに、治療費の公費補助制度について知っている人も10%にとどまり、認知度の低さが浮き彫りになった。
 B型は血液や体液、C型は血液を介して感染する。感染状態が続くと慢性肝炎から肝硬変や肝がんに至ることがある。国内の肝がん死亡者約3万人(平成24年)の8割はC型、1割はB型の持続感染に起因するとされるが、自覚症状が乏しいため、感染に気づかず、早期治療の機会を逃すケースが多いという。

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