免疫生物研究所、バイオベンチャー会社/Clioと再生医療事業に関する共同研究を実施

株式会社Clioとの再生医療事業に関する共同研究実施について


 当社は、かねてから再生医療領域に本格的に進出することを検討しておりましたが、このたび、Muse細胞を用いた再生医療の実現を目指すバイオベンチャー株式会社Clio(本社:秋田市、代表取締役社長:吉田正順、以下「Clio」)と、資本提携も視野に入れ、共同研究契約を締結しましたのでお知らせ致します。本共同研究により、当社は次世代医薬品と期待される細胞性医薬品を用いた再生医療事業への第一歩を踏み出します。当社が長年培ってきた抗体作製・細胞培養に関する知識と技術を再生医療分野で最大限に活かすべく、まずはMuse細胞の分離・精製等に関わる研究をClioと共同で実施し、早期の実用化を目指してまいります。

【概要】
 Muse細胞(Multilineage-differentiating stress-enduring cells)は、間葉系組織に存在する多能性幹細胞で、外胚葉(脳、神経、皮膚など)・中胚葉(筋、骨、軟骨など)・内胚葉(肝臓、膵臓など)の三胚葉すべてに分化する能力を兼ね備えています。損傷部位に集積・生着し、組織特異的な細胞に分化することで、損傷を受けた組織の構造や機能を修復します。
 Muse細胞は、東北大学大学院医学系研究科の出澤真理教授のグループが発見、昨年1月には、日本においてMuse細胞そのものの物質特許が成立しています。その独占的実施権を有するClioは、高い安全性と有効性を示す再生医療の実現を目指し、Muse細胞を主成分とした細胞性医薬品の臨床試験の準備を進めています。
 Muse細胞はもともと生体内に存在している多能性幹細胞で、間葉系幹細胞を用いた細胞性医薬品において組織修復を担っていると考えられています。分離・製剤化のプロセスにおいて、分化誘導操作や遺伝子導入を行う必要がないため、腫瘍化の危険性がほとんどないことが示唆されています。医療現場で数十年の歴史を有する骨髄移植療法や世界中で行われている間葉系幹細胞による組織再生療法でも、含有率は低いもののこのMuse細胞が含まれた製剤が使用されており、その安全性はある程度実証されていると言えます。
 このように、Muse細胞を主成分とする細胞性医薬品を用いた再生医療は、きわめて大きなアドバンテージを有しており、安全で治療効果の高い幹細胞治療の早期実現に寄与するものと期待されています。
 Muse細胞は、間葉系マーカーCD105とヒトES細胞マーカーSSEA-3の二重陽性細胞として骨髄・脂肪・皮膚などの組織や間葉系培養細胞から分離可能です。当社は、長年培ってきた抗体作製・細胞培養に関する知識と技術を最大限に活用し、Muse細胞の分離・精製等に関する技術開発を通して、Muse細胞を主成分とした細胞性医薬品の開発・製造・臨床応用の早期実現に貢献してまいります。


【株式会社Clioの概要】
 本社   :秋田県秋田市中通5-5-34
 社名   :株式会社 Clio
 代表者  :代表取締役社長 吉田 正順
 事業内容:Muse細胞を用いた再生医療等に関する研究開発
 株式上場:未公開


以上

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