日本の中絶方法「安全」…厚労省研究班が調査


Yomi Dr.

国内の人工妊娠中絶に関し、厚生労働省研究班(分担研究者=中井章人・日本医大多摩永山病院教授)が、初の大規模調査をし、「欧米諸国と方法が異なるが、安全性に大きな問題はない」とする報告書をまとめた。国内では、世界保健機関(WHO)が安全と推奨する方法とは別の方法が主流で、安全性の検証が求められていた。
 調査は昨年9月、中絶を行う産婦人科医(母体保護法指定医)が勤務する全施設(4154施設)に、2012年に行った中絶について聞いた。2434施設(59%)から、約11万件の報告があった。国内で同年に行われた中絶の半数に相当する。
 調査の結果、中絶全体の合併症の件数は391件、妊婦死亡は1件で、その頻度は、米国や英国と比べて高くはなかった。
 12週未満に行う初期中絶を見ると、ちつから器具を入れて行うが、胎児をかき出す「掻爬そうは法」(33%)、吸い取る「吸引法」(20%)、両方使う「併用法」(47%)と分かれた。WHOは初期の手術では吸引法を推奨している。
 掻爬法は、吸引法に比べ摘出が不十分で再手術が必要になったケースは多かったが、子宮に穴を開けてしまうなどの重い合併症が起きた割合には明らかな差はなかった。
 中井教授は「いずれの方法も安全だとわかったが、再手術の頻度が異なる点を、中絶を行う産婦人科医や、手術をうける女性に周知する必要がある」と話す。
 WHO=World Health Organization
(2014年5月12日 読売新聞)

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